【 新型コロナ 】なぜイタリアに多い?
2020.3.31 イタリア感染者数 2位 死亡者 世界1位
イタリア感染者数は、アメリカ合衆国に次いで、 2位 101,739人 死亡者は11,591人で、ダントツ一位。 人口もそんなに多くないのに、なぜイタリアの新型コロナウイルス感染者・死亡者数がこんなに多いのでしょう?
2020.3.31 までの各国政府の発表 新型コロナウイルス感染者数
- アメリカ 14万904人
- イタリア 10万1739人
- スペイン 8万5195人
- 中国 8万1518人
- ドイツ 5万7298人
- フランス 4万4550人
- イラン 4万1495人
2020.3.31 までの各国政府の発表 新型コロナウイルス死亡者数
- イタリア 1万1591人
- スペイン 7340人
- 中国 3305人
- フランス 3024人
- イラン 2757人
- アメリカ 2405人
【出典】NHK News Web 2020.3.31 感染者の多い国や地域 新型コロナウイルス
イタリアの感染者数、死亡者数が多いのはなぜ?
高い高齢化率
2年前の時点でイタリアの人口で65歳以上の高齢者が占める割合は22.6%とEU加盟国の中で最も高くなっています。
イタリアの国立衛生研究所が14日付で発表した分析では亡くなった人のうちもっとも多いのが80代で42%余り、次いで70代のおよそ35%となっています。60代と90歳以上も含めると死者の94%を占めています
最初に検査を多く広げてしまった
イタリアは新型コロナウイルスに感染しているかどうかの検査を、件数でみるとかなり行っている。 特に隔離しないで普段どおりの診察を行ったので、医師も感染して、病院がクラスターになってしまった。
死者が多く出ている原因の一つに、検査をしたことで多くの人が病院に殺到し、医療現場に負荷がかかったことはあるようで、院内感染も多い。
医療体制の不備
当初は危機感に乏しく、病院内で感染が広がったと指摘されています。
医療レベルの高い西側欧州諸国内での比較だが、相対的にイタリアはやや脆弱なほうだ。ヘルスケアへの支出を対GDP(国内総生産)比で見ると、ドイツやフランスに比べて少ない。1人当たりの病床数で見てもそうだ。
イタリア人の習慣と危機感のなさ
当初イタリアでは、コロナを怖がり過ぎて経済を停滞させる方が恐ろしい! と、できるだけいつも通りの暮らしが続けられていました。
イタリアでは家族や友人との交流は「毎日」という答えが他の国よりも多く、「毎週」も合わせると6割を超える。欧州全体として、挨拶で人との握手、抱擁などが当たり前になっているため、日本などと比べて感染しやすいと考えられる。
挨拶の握手や抱擁、両頬へのキス。おしゃべりなイタリア人たちが顔を突き合わせて楽しむアペリティーボ。感染地域は特定されているから、それ以外は大丈夫、という感覚で。
イタリア人の老若男女は、集まるのが好きな人が多く、しかも人と人との距離が近いときでもマスクは一般的につけないし、咳エチケットも浸透していない。
欧州域内の移動の自由
EU域内の移動の自由があることも感染につながっているだろう。イタリア北部は、スイス、フランス、オーストリアなどと国境を接していて、スイスなどは物価が高いため、人々はイタリアでよく買い物をする。
例えば、イタリアの旅行者の50%はまず国内の旅行者、他のEUの国からが35%、次がアメリカからの4%強、その後が中国で3%弱、日本からは1%弱といった数字だ。EUは人の異動が激しいことが感染を広げやすい。イギリスや北欧諸国で感染が広がった1つの発端はイタリアのスキーリゾートを訪問した人だ。
イタリア北部は中小零細企業が95%
フィアットなど大きな企業もないわけではないが、中小零細企業、従業員10人以下の企業が約95%で、圧倒的に多い。家族的な経営が多いので、クラスター感染が起きることが懸念される。移動制限とは言っても、生産活動は動かす、物流も動かす、としており、会社に行くこと自体も禁止していない。
テレワークがそもそも発達していない。
【出典】
NHK news web 2020.3.16 イタリアで死者1800人超 致死率7.3%と高いのはなぜ
NHK 解説委員会 2020.3.13「新型コロナウイルス イタリア・イランでなぜ拡大?」
CREA 2020.3.15 新型コロナ感染者がなぜ急増? 今、イタリアで起きていること
東洋経済 ONLINE 2020.3.15 イタリア、スペインと感染急拡大の欧州事情
日本とイタリアの状況を比較すると?
日本は感染者数が急増してきました。 日本がイタリアのようにならないか、心配ですね。 上記の、イタリアの感染・死亡者が大きい理由との比較をしてみました。
イタリアと共通する点
- 高い高齢化率
- 中小零細企業が95%
イタリアとは異なる点
- 最初に検査を多く広げてしまった
- 医療体制の不備
- イタリア人の習慣と危機感のなさ
- 欧州域内の移動の自由
数だけで言うと共通点は少ないですが、イタリアを先生として、対策を採り続けることが大事ですね。
ドイツのコロナ死者数が少ない点から、学ぶこと
下のブログで集めた情報、「ドイツで新型コロナ感染者に比べ、死者数が少ない理由」をご覧下さい。
- 新ドイツ特有の整備された「医療体制」
- 感染者が若い
- 積極的な検査
- 死亡者の検査が異なる
学ぶべき点は、「医療体制」「積極的な検査で、高リスクの患者を優先的にする対応」でしょう。
まとめ
感染・死亡のおおいイタリア、 感染は多いが死亡が少ないドイツ、両国から日本に使えることを、まとめますね。
ドイツ・イタリアから学ぶ、新型コロナに感染・死亡を予防する点
- 医療体制を確実に守る
- ハグ・握手など、濃厚接触を避ける
- 外国との移動の自由を一時的に制限する
- 検査を広げ、高齢者など高リスクの人に優先的に、早期発見早期治療する
はやく、ワクチンが出来ますように!