【 オンライン診療 】コロナ対策で変わる日本の医療
【改訂あり】この記事は、2020.09.20のこちらの改訂版ブログをご覧ください
新型コロナウイルスのまん延で、遠隔からのオンライン診療規制が、大幅に緩和されました。 2020.5.27の日本経済新聞に紹介された、MEDLEYという病院と患者を結ぶアプリをご紹介しますね
オンライン診療とは?
世の中に定義はないようですが、すでにオンライン診療を始めておられる病院・クリニックのホームページより整理してみますと、このような機能をもつ診療システムを指します。
- スマートフォンやパソコンなどを使ったビデオ通話による診療のこと
- インターネット上で一貫して予約〜診療〜会計を行うことができるオンライン診療アプリを利用し診療を受けること
その特徴と、メリットを5つあげます
24時間いつでも予約可能
オンライン問診
- 事前に問診票をスマホアプリで回答
- 限られた時間でも医師と的確なコミュニケーションを取ることができる
- 保険証や医師に見せたい資料もアプリから提出できる
オンライン診察
- 診察前の待ち時間ゼロ
- 予約した時間になると、医師からアプリ上で呼びだされ、ビデオチャットで医師の診察が始まる
- 待合室で待つ必要がない
オンライン会計
- 診察後、登録したクレジットカードから自動で決済
- 面倒な振込作業や支払いの手続きは不要
オンライン処方
- 院外処方の場合は処方せん、院内処方の場合は登録住所に薬が直接郵送されます
- 通常、診察から1〜3日でお手元に届く
【出典】
- いつもの先生ともっとつながるオンライン診療アプリ CLINICS (クリニクス) App Store メディカル カテゴリ 1位 (2020年4月)
【ご参考】厚生労働省のオンライン診療資料
2020.4.10 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的特例的な取扱について」のリーフレット ↓
【出典】
- 2020.4.10 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的特例的な取扱について」をわかりやすく説明したリーフレット
- いつもの先生ともっとつながるオンライン診療アプリ CLINICS (クリニクス) App Store メディカル カテゴリ 1位 (2020年4月)
日本の医療業界の問題
2020.5.27 の日経新聞に掲載されていた、『日本の医療「非効率」にメス 』という記事からの抜粋です。 結論は「医師も患者も、もっと負担を軽減できる方法はないだろうか?」という点です。
病院・医者から見た問題点
- 土日も働きづめで、残業が月200時間を超えることも少なくない
- 病院経営のために1日、100人以上の患者を診る医師も多く、十分な診察時間を確保するのは難しい
- 医療従事者の聖職者意識と精神的犠牲によってかろうじて成り立っている世界
- 日本は、医師が都心に集中する「医師偏在」が問題で、自宅から移動できない高齢患者が多いため、地方の医療が薄くなっている
患者から見た問題点
- 診察まで数時間も待たされ、医師に相談できる時間はせいぜい3分ほど
- お医者さんに症状をうまく伝えられたか不安 (ことがある)
- 処方された薬の説明がほとんどない (ことがある)
【出典】
- 日本経済新聞朝刊 2020.5.27 日本の医療「非効率」にメス
コロナが、規制の壁をうちやぶってくれた!
日本のオンライン診療は、これまで規制の壁が厚かった。
政治力の強い、開業医らの団体、日本医師会の主張
- 問診と視診だけでは危険
- 保険適用できるオンライン診療は「糖尿病」「高血圧」「慢性頭痛」の再診に限る
- 30分以内に対面診察可能な距離に患者がいること (2020.4.10に解禁された)
新型コロナウイルスのまん延が揺るがした
- 4月10日から、病気の種類を問わず、初診から解禁
- 安倍首相 2020.5.19 「オンライン診療など、社会のあらゆる分野で遠隔対応を一気に進め、未来を先取りするような新たな日常をつくりあげたい」
海外の先進事例
- 高齢者向け公的保険「メディケア」や民間保険で、オンライン診療の適用範囲が広がり、サービス利用が急増
【出典】
- 日本経済新聞朝刊 2020.5.27 日本の医療「非効率」にメス
まとめ
日本では、革新的な変革がむつかしく、医療業界でも先進的な取り組みが実を結ばないことがあります。 今回取り上げたオンライン診療は、その典型的なケースで、もしコロナウイルスが起きなかったら、まだ10数年後も実現できていなかったと思います。
もちろん、オンライン診療のデメリットもあるかと思いますが、まずは以下の問題を解決するうえで、スマホなどを活用した、オンライン診療で多くのけが・病気で困っている人と、忙しいお医者さんを助けることが始まったことが、とてもいいことだと思います。
医療業界の問題
- 医師の慢性的残業
- コロナなどの感染のリスク
オンライン診療のメリット
- 24時間いつでも予約できる
- 病院への通院時間が節約
- 病院での感染リスクをなくせる
- 限られた時間でも、医師と的確なコミュニケーションがとれる
- 病院で待たされることもない
- 会計も自動決済
- 処方箋で薬を買いに行く必要もない
- 病院経営にとっても、遠方への訪問診療の負担軽減や、病院事務を効率化できる