【五十肩 】症状と時期に合わせた運動療法 ★
五十肩とは?
2022年7月2日に*1の番組をみて、五十肩と腱板断裂の違いや、その対策がとってもわかりやすかったので、記録にとどめます。
【*1 出典番組】
- NHK 2022/07/02 チョイス@病気になったとき「長引かせない!五十肩」 麻生総合病院・副院長 スポーツ整形 鈴木一秀 外科部長
五十肩の症状
- 肩が痛い、夜眠れない時がある
- 腕が上がらない、歯磨きもつらい
- 上着に腕を通すのがつらい
- 時には激痛が、、、
五十肩
- 正式には、「肩関節周囲炎」と言う
- 主に肩関節周りの膜などに炎症が起きて痛みが発生
- ときには日常生活に支障をきたすほど関節が動かしづらくなり、何年も治らないこともある
- 症状を長引かせないために重要なのが、炎症があるときは薬や注射で痛みを抑え、運動療法を始めるタイミングを適切に見極めること
急性期
- 安静にすべき。特に痛みが出ることはやらない
- 五十肩の運動療法として、急性期にやってもいい運動が2つ紹介されました
五十肩の急性期にやってもいい運動1 「おじぎ体操」
- 腕の力を抜き、脱力した状態で、右手をテーブルにつけたまま、おじぎをして、痛い方の腕をそのまま前に垂らす
- 1回5-10秒間を、1日2~3回
- 慣れてきて、痛みが無ければ回数を増やす
- 急性期の場合は、痛みがない範囲で、これだけで十分
- おじぎは、重力を使って腕を垂らすだけで、脇が自然と離すことができるので、慢性期に肩が固まるのを予防できる
- 重力に逆らって腕を上げたり、脇を離すことは大変なことだが、おじぎ運動の効果は、痛みなく楽にできる
五十肩の急性期にやってもいい運動2 「肩甲骨の運動」
- 寄せる・上げる・開く (下の写真)
- 寄せる: 肩甲骨だけを意識して、後ろに引き寄せ、背中の真ん中に寄せる。肘は動かさない。
- 上げる: 肩を耳につけるようなイメージ
- 開く: 肩甲骨を外側に開く・戻す・前に持っていく
- 肩甲骨が重要な理由: 肩は肩甲骨と連動しているので、肩甲骨の動きが悪くなると、腕が上がりずらくなったりする
- 肩甲骨を動かすと、肩・腕が上がりやすくなる
- ポイントは、炎症があるので腕を動かさない。 痛みが出ない範囲で行うこと
慢性期以降にオススメの運動療法
- 肩が固まらないよう、痛くない範囲で行う
慢性期以降にオススメの肩周囲のストレッチ1
- 痛い側のひじを、反対側の手で支えながら、ゆっくりと、痛くない範囲で上に、上げていく
- この時に、脇が伸びていくことを意識する
- 反対側の手で支えるのは? → 腕を自力で上げると筋肉が収縮し、痛みが出やすい。 痛みがあるときは、反対側の手で支えることで可動域を広げることができる。 あくまで、痛い側の手は、脱力しておくこと
慢性期以降にオススメの肩周囲のストレッチ2
- 痛い側の腕を体の前に引き寄せ、反対側の手で(ゆっくり片方の手で胸に近づけるように引き寄せていく)
- 抑えて、20~30秒間キープ
- ポイント: 肩の後ろ側が伸びていることを意識
- 慢性期だと、痛みが残っていることもあるので、痛みが出ないよう、ゆっくりと伸ばす
慢性期以降にオススメのインナーマッスルトレーニング
痛みが出ない強度の輪ゴムを使うトレーニングを2つご紹介。
小さい輪ゴムをつなげてもOK。 輪ゴムを使った運動は、負荷がかかるので、筋肉に効きます。
1も2も最初は、ゴムを使わずに、ワイパーみたいな動きから始めましょう。
この運動は、五十肩の体操にもなるし、予防にもいい運動です。
慢性期インナーマッスルトレーニング1
- 輪ゴムを両手の親指にかける
- 反対側の手は腿(もも)に添わせ固定しておく
- 痛い側の腕を、ゆっくりと、外側、前20-30度ぐらい前に引っ張っていく
- 早さは、1回/秒 ぐらいのペースでいい
慢性期インナーマッスルトレーニング2
- ゴムを親指にかけて
- ひじを90度に曲げ、痛い側の手を外側に動かす
- 二つの運動を、一日10回程度
回復期以降の運動療法
痛みが軽減したら、運動療法・ストレッチで改善していきます
- 左: 肩回りを動かす運動を始め、肩をほぐす
- 中: 肩の周囲を伸ばす運動。 壁で手を支えることによって、いたみが出るのを抑えながら、肩の可動域を広げることができます
- 右: 胸とわき腹を広げるストレッチで、上半身の柔軟性を取り戻すことで腕が上がりやすくなる運動療法
腱板断裂とは?
五十肩だと思っていて、なかなか良くならない場合は、腱板断裂など、別の病気が原因になることもあります。
腱板断裂の症状
- 痛みがだんだん強くなる
- 字を書いているだけでも痛みが出て、長く書いていると、肩に響く
- 夜眠れないぐらい痛くて、一時間おきに起きる など
- 症状は五十肩と似ていて、判断は難しいので、整形外科でエコーやMRI検査でわかる
- 断裂には、完全断裂と、部分断裂がある
腱板とは?
- 上腕骨と、肩甲骨をつないでいる、4つのインナーマッスル
- その中で、腕を上げる役割の、棘上筋(ちょくじょうきん)という腱板が、上の骨にこすれるため切れやすい
腱板断裂の手術 「間接鏡視下腱板修復術」
- 入院は1週間程度、その後4週間はギブスで肩が動かないように固定し、運動は6か月はできない
- 費用は、3割負担で25万円。 高額療養費制度によって負担が減らせる場合もある
まとめ
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
五十肩かな? しかも、治りにくいな、と思ったら、早めに肩関節の専門医を受診しましょう。 誤った対処で、かえって悪化することもあります。 五十肩と思っていたら、肩の腱が切れていたという、私みたいなケースもあります。 加齢も関係しますが、50-80代の4人に1人が腱板断裂を起こしているというデータもあります。
五十肩の症状
- ケガをしたことがないのに肩が痛い
- 肩の動きに制限が出る
五十肩になりやすい人
- 加齢が影響するので、40代から60代が多い
- 体が硬い人
- 姿勢が悪い人
- 痛みのある動作をすることが、症状を悪くする
五十肩の時期によって対処が異なる